スポーツジムでの差別 [2021.9.30]

    ロシアには非常に多くの民族が暮らしている。その中にはアジア人ももちろん含まれている。ロシア人と暮らししてみればよくわかることだが、彼らの間にはアジア人差別が浸透している。中央アジア(ウズベキスタンやキルギス)出身者への差別は顕著だ。彼らがロシアに移民として来ることで職が奪われるという考えを持っている人もいる。また彼らが粗暴であるがゆえに治安が乱れると考えている人も少なくない。クラブなどでは中央アジアっぽいという理由で入店を断られることも珍しくない。東アジアの人間も差別を受ける。ロシア人はよく東アジア人の目の前で釣り目のジェスチャーする。このような行動は「冗談として行われる」らしいが、されるほうはいい気はしない。そんなロシアで筆者が受けた差別を紹介する。


買えないチケット

      筆者はロシアのある田舎町でGriffというスポーツジムにもう何度も行っていた。現地のトレーニング仲間と毎週日曜日にそこに行ってロシア式トレーニングを楽しんでいた。ある日、筆者は一人でそのジムに行った。入り口はいつものように開いていた。電気もつき、窓も開いていて、中からはトレーニングの音が聞こえた。ジムの中に入り、受付で「チケットを1枚買えますか」とお姉さんに尋ねた。すると「ニェット(いいえ)」と一言。「なぜですか」と尋ねると「今日は日曜日だから」と言った。ここからロシア恒例の面倒くさいやりとりが始まった。「日曜日だから?でも先週も2週間前も日曜日にここに来ましたよ」 「ニェット」 「友達と来ました。あなたにも会いましたよ」 「ニェット、ヴィ ニェ プリハヂーリ(いいえ、あなたは来ていません)」 こうなると自分の力ではどうにもならない。いつも一緒に来ていた現地の友人に連絡した。彼女はジムに電話してくれるといい、筆者の目の前でこの面倒くさいスタッフが電話を受けた。「そこに外国人がいますよね」「ダー(はい)」「彼にジムを使わせてあげて」「ハラショー(いいわ)」 すぐにスタッフは不満げに筆者にロッカーの鍵を投げてよこした。ロッカールームにいると客が何人か入ってきた。ロシアではジムで人に会うと握手(同志への尊敬の意味がある)をして挨拶をする。トレーニングルームに入るといつも見かける人たちがいる。「日曜日はこのジムは開いていないの?」と聞いてみると、「シュトー トゥイ ガヴァリーシ?(何をいってるんだ?)ズナーイェシ、スィヴォードニャ ヴァスクリセーニイェ(今日は日曜だぞ)」と返された。トレーニングが終わってから、電話をしてくれた友達にこの出来事について聞いてみると「おかしな話だわ。日曜日もやっているってネットに載ってるし、いつも日曜日に行っているし...たぶん騙そうとしたんだと思うわ」と言いった。



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